スクープ !! 函館駅に謎の芸術家が出没?

  昨年末、あらゆる分野からその年の最も優れたデザイン
  に贈られるグッドデザイン大賞に、我らが函館線の岩見
  沢駅新駅舎が選ばれたのは記憶に新しい。レンガや古レール
  などを巧みに活かしたデザインは、何かと効率が優先され        函館駅ホームの水飲み場をよく見てみると…
  がちな現代の駅のあり方に一石を投じるものとなった。

  しかし、駅で人の目を楽しませるものは何も大規模なデザイン
  に限らない。これから紹介するような粋な仕掛けが駅の随所
  に存在したら、きっとその駅や街の印象はぐっと楽しいもの
  になるのではないだろうか。                       函館港とカモメを描いた見事な絵画が

  函館の表玄関であるJR函館駅では最近、構内の各所に人知
  れず小粋な絵画や模型が設置されるようになり、日に日に
  その数が増えつつある。

  初めに私が発見したのは昨年秋の終わり頃のこと。今では
  珍しくなったホームの水飲み場であった。冬季間は凍結して         別のホームにはドックを大きく描いた作品が
  しまうため使用停止となり、ふさぎ板が張られてしまうの
  だが、今年はその板に突然、美しい絵画が描かれたのである。

  青函連絡船摩周丸と函館港の風景を描いており、中央には
  優雅に舞う二羽の大きなカモメが、そのカモメを境に函館
  港側は鮮やかなカラー、摩周丸側は味わい深いセピア調に
  彩られたその作品は、単なるふさぎ板というには余りに驚          SL運行をPRしたものも
  かされる気合の入った出来栄えであった。

  更に変化は他のホームにも及んでいた。やはりそのふさぎ
  板に別の絵画が描かれているのを発見。テーマこそ同じで
  あったが、こちらは今は無き、函館ドックのゴライアスクレーン
  が大きく描かれ、その中央にはやはりカモメが大きく翼を       絵の中から飛び出したSL
  広げていた。

  また、別のホームの作品には春夏に函館-森間を走るSL函館
  大沼号を描いたものも。こちらはいたってシンプルだが、
  中央のSLの部分が模型になっていて、今にも絵の中から
  飛び出さんばかりの迫力だ。

  更にその裏面は金色に輝く扇の中に、函館駅舎や函館市電        函館市電の部分低床車も登場する扇
  の部分低床車8101号が描かれた作品となっていた。とにかく
  一つ一つに手がかかっており、美術展といってもいいほど
  の作品群なのである。

  これらの作品が設置されたのはJRの方針なのか、それとも
  個人か団体からボランティアか何かで提供の意志でもあった
  のか、とても気になるところだが、その場ではこれ以上の          駅改札口にも異変が
  手がかりを得ることはできなかった。

  そんな中、函館も冬本番を迎え、例年にない寒波と大雪に
  見舞われた。ようやく一息ついたある日、再び駅を訪れると、
  作品の一部は雪に埋もれ、色も滲んでしまっているでは
  ないか。せっかく上手に描かれたのに、これでおしまい          
  なのかと思っていたら、事態は思わぬ方向へと展開した。          電光表示板の上に鎮座するカモメ

  改札口にある発車案内表示の上をよく見ると、いるはずの
  無いものが…カモメ? カモメだ !!

  なんと今度は本物そっくりのカモメの模型が出現。

  あたかも駅の中を飛び交っ ているかのようなリアルさで          針金で宙を舞うものも
  ある。おまけに改札の詰所の上にヒナ?までいる芸の細かさ
  に脱帽。この作者はよほど、港やカモメに思い入れがある
  のだろうか。

  もしかして、連絡船か何かの関係者かと思い、後日、摩周丸
  にいる知人に尋ねてみたが、心当たりはないとのこと。この
  謎の芸術家?の素性や目的は今もって謎に包まれたままである。    詰所の上からはヒナ?が行き交う旅人を見守る   
  今後の展開にも注目したい。皆様も函館駅まで来られたら、
  ぜひ周囲もほんの少し、気にかけてみてほしい。旅の思い出
  が1ページ増えるような思わぬ発見があるかもしれない。

タグ:JR 函館駅

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